「三遠南信 祭紀行」
民俗芸能の宝庫、三遠南信を 正月・春・サノボリ・夏・手筒花火・盆・冬の祭りと 一年を通じて訪れた記録。 祭りのルーツとルールを探る旅。 発売中 ご購入は春夏秋冬叢書へ 文・味岡伸太郎/写真・宮田明里 定価・3,150円(税込) B6判/ハードカバー/256頁 ISBN4-901835-13-0 C0339 春夏秋冬叢書 http://www.h-n-a-f.com book@h-n-a-f.com |
目次 |
突然、「ランジョウ、ランジョウ」の声とともに庁屋の板壁を木で叩く音。板壁の前には数人の男が群がり、中には丸太を二人掛かりで抱え壁に打ち付ける男達もいる。いよいよ庭能が始まる…
午後三時になると拝殿前に人が集まってきた。太鼓が間をあけて打たれ、宮殿から拝殿を貫く筵が敷かれた。太鼓の間が短くなり、急調子に。太鼓はいよいよ激しくなる。突然、横縞模様の鬼が拝殿を一気に走り抜け、境内に飛び込んで行った…
舞の太鼓を打っていた宮人が弓を持って現れた。他に二人の勢子が注連縄を襷に掛け、棒を手にしている。鹿追い行事がいよいよ始まる…
お鍬祭りは伊勢の外宮の御師から送られた木製小型の鍬を神輿に納め、村送りされ、その神輿行列が華やかな練りを伴っていた。そのお鍬様の行列が飯田に向かう途中…
庭に筵十二枚を口の字形に敷く。中心に筵半分の大きさで土を露出させ、そこを炉に見立てる。金光家で繰り広げられる、庭の神楽の舞台だ。縁側には村人の笑顔が集う…
三谷祭 海中渡御
真っ赤のちゃんちゃんこと赤い鉢巻き姿の猿田彦に扮した若者が、一度に数十本の手筒を乱打する。夜空を真っ赤に染める猿田彦の花火は、壮絶な火の祭りだ。一本一本の手筒の物足りなさは完全に消し飛ぶ…
冬の気配が忍び寄る天龍村坂部。紅葉も終ろうとし、一段と寒さが増した秋の日、朝十時に数人が集ってきた。諏訪神社の境内は落ちた杉の葉が一面に散っている。祭りは境内の掃き掃除から始った… |