[神々の里の形]










愛知県北設楽郡東栄町古戸の花祭りより
味岡伸太郎・写真 山本宏務
祭りを彩る形の数々が日本の美の秘密を明かす。

北設楽の十七ケ所で行われている花祭りは、柳田国男に「苟くも民間芸術を談ずるの士は之を知らなければ恥」と言わせた祭である。花祭りから我々が受ける感動とは伝え続けられた「型」にある。それは、一つに高度に洗練された舞いの「型」に、一つは花宿を彩る「切り草」の「型」として私達の前に姿を見せている。その「型」を生み出した時代の宗教心の中に秘められた、日本人の美意識を知りたいと願う。そして、我々のふる里日本は、津々浦々、神々にあふれ、四季の移り変わりに自然の尊厳を感じることのできた、このような町や村だった。そのことを古戸の花祭りを徹底的に取材した豊富な図版により探し出したいのが、本書の願いである。


257mm × 210mm
208頁 カラー/176頁 図版400点以上
3,800円(税別)