神々の里の形
愛知県北設楽郡東栄町古戸の花祭りより
味岡伸太郎・写真 山本宏務
祭りを彩る形の数々が日本の美の秘密を明かす。

北設楽の十七ケ所で行われている花祭りは、柳田国男に「苟くも民間芸術を談ずるの士は之を知らなければ恥」と言わせた祭である。花祭りから我々が受ける感動とは伝え続けられた「型」にある。それは、一つに高度に洗練された舞いの「型」に、一つは花宿を彩る「切り草」の「型」として私達の前に姿を見せている。その「型」を生み出した時代の宗教心の中に秘められた、日本人の美意識を知りたいと願う。そして、我々のふる里日本は、津々浦々、神々にあふれ、四季の移り変わりに自然の尊厳を感じることのできた、このような町や村だった。そのことを古戸の花祭りを徹底的に取材した豊富な図版により探し出したいのが、本書の願いである。

257mm × 210mm
208頁 カラー/176頁 図版400点以上
3,800円(税別)

















Illustrator 宮田香里















































主な内容 /目次より

はじめに/神々のふる里/北設楽郡/湯立神楽/花祭りの起源
聖さま/花宿舞庭/神座/神部屋/竃/せいと/切り草/御弊/祭りの色彩/ひいな
天門弊氏神の弊/神の所属/ぬさ/びゃっけ/他の地区のびゃっけ/神道・千道百綱
一力花/注連縄/ざぜち/見目様/滝祓い/高嶺祭り/辻固め/御串し/天の祭り
舞いと衣装・舞道具幼・少・壮・老の舞い/神事とゆはぎ/青少年の舞い/市の舞
地堅/三ツ舞/花の舞/四ツ舞/面形の舞い/鬼/反閇/鬼の面形
ひの祢宜と神子/翁/おちりはり/御弊餅/草鞋/面形/竃祓・湯立て湯囃
獅子舞/役割帳/楽/鎮め/手印/荒神祭/呪術/古戸花祭り次第/古戸白山祭り
白山祭り次第/白山神社宮人行事/御神楽/供物/折々の神/正月飾り/祝木
初午節分/山の講/春祭り・秋祭り/古戸念仏踊り/えんきの立ち日/冬から新年の祭り
古戸の田楽/古戸田楽面形/道の神/生活の反映として/蓑/唐箕/縞帳/さきやま/こけら/せせり
他地区のざぜち(月・中設楽・足込・河内・中在家・御園・下栗代・布川・小林・東薗目)
ざぜちの変化/花祭りの起源と由来/ひの祢宜問答次第
榊鬼の問答次第/翁の問答次第/歌楽/花祭神入詞