今年の1月14日から17日まで、韓国ソウルに出掛けた。初めての韓国だが、冬の韓国は決して薦めない。恐ろしく寒い。旅の目的は韓国のAsia Creative Academy (ACA)での講演とワークショップ。そうでなければ旅が基本的に好きではない私が、この極寒の季節に韓国には出かけない。
ソウルは寒い。何かに間違われないよう気をつけよう。
長いので数回に分けて掲載することにした。それでも長い初日。ついてそうそう、記号の羅列で一切分からないハングルに不安のカルチャーショック。リムジンバスで1時間10分、なんとか仁川空港からソウル市内に、バス停で待つ約束のACAディレクター、私にとっては命の綱となる通訳を担っていただくキム・ギョンキュンさんが遅れている。
バス停の名は成均館大学前。あたりは学生街のようだ。若い学生たちの間からそれらしい人物が現れた。これでも気は小さいのだ。やっと一安心。
すでに、午後2時近い、さっそく最初の仕事(?)。韓国で最も大きなフォントデザイン会社サンドルが発行する FONT CLUB の取材を近くのスタジオで受ける。
講座の間にサムスン美術館に出かけた。キムさんによれば、ソウルでもっとも良いものを見ることの出来る美術館とのこと。韓国の古美術品を展示するMUSEUM 1と、韓国と世界の現代美術を展示するMUSEUM 2で構成されている。
MUSEUM 1では書画・陶磁器・金属工芸・仏教美術など韓国古美術の水準を余すことなく見る事ができるが、貧乏性の私には少し敷居が高い。
MUSEUM 2も又、韓国の現代美術の水準を見るには良い展示だ。しかし、会場で旧知の彫刻家で武蔵野美大教授伊藤誠氏に出会ったことの方が私には驚きだった。何もソウルで出会うこともない、どうも世間が狭くなっているようだ。
世界の現代美術はさすがだが、正直なところわざわざソウルで見なくても良い。殆どの作家の代表作はニューヨークで見ている。
美術鑑賞はそこそこに学校に戻り、講義再開。講義後、食事に、門限10分前に帰るがすでに鍵がかかっている。あわてて戸をたたくと守衛さんが現れる。しかし、言葉が全く通じない。キムさんの名刺を持っていることを思い出し提示。なんとかゲストルームに辿り着く。危なかった。零下15度の夜の街に放り出されるところだった。