大地の豊かさ
翌1990年、富士山麓・上九一色村豊茂で開催された「WAVE OF ENERGY」に参加。20×6mの牧草地の草を刈り、深さ80cmの溝を掘った。掘り出した土をふるいにかけ、サイズごとに選別し山にした。毎日、踏みしめる大地を見てみようと思ったのだ。作品名は〈富士山麓地質調査〉。できるだけ感情を入れず無機的な名を選んだ。それ以来〈地質調査〉の言葉は今も使い続けている。
作業の終了した翌日の未明、裾野から昇る日の出を受け、刻々変わる富士の色をバックに、出来上がった5つの富士も同じ光をあびていた。